轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1~2月、5月~1935(昭和10)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 155,989 字 · 311 页
そして、知らぬ間に、彼も神谷と同じ縄目にかかって、こうしてころがされていたのに違いない。
「神谷君」
うっかり声をかけたが、それはみじめな唸り声でしかなかった。猿ぐつわだ。口一杯の猿ぐつわだ。
では、せめて神谷のそばまでころがって行って、縄を解く工夫をしようと身をもがいたが、縄の端が柱にくくりつけてあると見えて、もがけばもがくほど、縄目が喰い入るばかりだ。
玄人の縛りかただ。玄人の手にかかっては、一本の縄がいかに偉大な力を発揮するかを、明智はよく知っていた。これを解くのは智恵の問題ではない。腕力も玄人の縄目にかかってはせんすべがないのだ。彼はもうむだにもがくことをやめて、なるべく楽な姿勢で仰臥したまま、眼をつむってしまった。
長い長い一夜であった。
そのあいだに二度ほど、梯子段をギシギシいわせて、階下から見知らぬ大男が、監禁者を見廻りにやってきた。
その都度天井からぶら下がっている電燈が点ぜられた。
そいつは、派手な色のアンダー・シャツを着た、六尺もあろうかと思われる大男であった。顔じゅうに無精ひげがモジャモジャした熊みたいなやつであった。むろん「人間豹」