轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
のぶこ
伸子
宮本 百合子
「改造」1924(大正13)年9月号~1926(大正15)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 232,543 字 · 466 页
声とともにやや前跼みに大股で、閾の上に安川の姿が現れた。伸子を案内した男は階下へ去った。安川冬子は、伸子がある専門学校に僅の間籍を置いていた時、上級の学生であった。彼女は勤勉な学業の優れた生徒として誰にでも知られていた。伸子は、一二度口を利いたくらいの間であったが、ここでとにかく海の彼方からの友達と云えるのは彼女きりであった。安川は、一年ばかり前からC大学で教育心理学を専攻しているのであった。
安川は、珍しそうにじろじろ伸子を見た。
「噂はきいていたけれど、私は一向外へ出ないから、ちっとも知らなかったわ。よくいらしってね。――いつこちらへ着いて?」
「三週間ばかり前」
安川は、学校時代とちっとも変らない、その変らなさに伸子が驚いたほど同じてきぱきした口調で訊いた。
「お父様と御一緒だって?」
「ええ。腰巾着」
伸子は、自分がこの女性達の前でまるで年少者扱いなのを感じた。
「今夜も下に来ているわ」
「そう。――いいわね。今どこ? お宿は」
「ブレントホテル」
「ああ、私あすこならいつだったか行ったことがありますよ。――皆さんにご紹介しましょうね、こちらは高崎さん――高師をおでになって家政学をやっていらっしゃる。