轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かちうんまけうん

勝ち運負け運

佐々木 邦

「キング」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,262 字 · 243 页

青空文庫

と菊太郎君は始末にいけない。

僕は差当り商売に身を入れた。附き合う相手がないと腰が落ちつく。店員達と一緒になって、夜までお得意廻りをした。見習いの月給五十円は口銭で稼ぎ出して余りあった。丸尾さんが感心した。極く凡庸な若旦那だと思っていたところ、急に切れ始めたから驚いたのだろう。隣りに菊太郎君という見本がいるから迷惑する。同じ白鞘でも中身が違う。

「丸尾さん、これでもイヨ/\抜けば正宗です」

と僕は得意だった。

「恐れ入りました」

「口銭を稼ぐだけなら、お安い御用ですよ。お客さまの数さえ殖せばいいんです」

「へい」

「子供にも出来る仕事です。皆は何をしているんだろうと思います」

「皆一生懸命です」

「僕はもう十軒拵えています」

「実はそれで一寸申上げたいと思っていたところです。その辺で一つお手控えってことにお願い申上げます」

「殖しちゃいけないんですか?」

「いや、お客さまは多いほど結構ですけれど、内容をお考えにならないと危いです。儲かる時は問題が起りませんが、損をすると逃げ出すのがあります」

「成程」

「私は一年間は初対面ってことに規則を定めています」

「すると僕のお客さまは皆まだ初対面です」