轻松读懂日语经典作品
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,262 字 · 243 页
犬馬の労
「○○保険の重役の令嬢で今年虎の門を卒業する麗人だ」
「交際があるのかい?」
「ないんだ」
「藪から棒かい?」
「うむ。思っているのは半年ばかり前からだけれど、一切手がかりがない。君の力で何とかしてくれ。この通り掌を合せて頼む」
「はてな。然ういうことは僕から君に頼む約束だったようだが……」
「それだから具合が悪いと言っている。ついアベコベになってしまったんだ」
「よし。引受けた」
「是非頼むよ」
「大舟に乗った気でいろ」
「冗談じゃない」
「本気だよ。どういう関係でそんな人が貰いたくなったのか、逐一話して見給え」
と僕は膝を進めた。
犬馬の労
「おい。お茶を一杯入れておくれ」
と僕は妻に命じた。子供達は寝静まった。妻は編物をしている。
「はあ」
「感心なものだろう? おれも」
「御精が出ますわね」
「昼間は昼間で働いて、夜は何処へも行かずに小説を書く。商売の方だって、この頃は好いんだぜ」
「結構ですわ」
「頭が両方へ利くんだ。株屋が小説を書くなんて、一寸類があるまい? 今に世間をワッと言わせてやる」
「でもね」
「何だい?」
「相手にしてくれないでしょう?」
「何故?」
「何故って、商人の書いた小説なんか」