轻松读懂日语经典作品
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,262 字 · 243 页
「好いものを差し上げますわ、お土産に」
「何ですか?」
「お手をお出し下さい」
「はあ」
「斯うよ。そんなこと仰有ると」
「痛い/\/\」
「烏のお灸よ。オホヽヽヽ」
と豊子さんは僕の手の甲を抓ってくれたのだった。僕はこれを好意の一徴候と解した。達三君はその後もう来なくなった。秀才という触れ込みだったけれど、豊子さんの気に入るには少し寸が伸びていた。キリッとしたところがない。薬で持っている男らしかった。菊太郎君がズドンと一発やってくれたのである。
次に現れたのは河原という帝大生だった。何のことやあると思ったが、矢張り秀才らしかった。顔容も達三君よりも締まっていた。
「今度の烏は何ういう親類だい?」
「あれは親類じゃない。親父の友達の息子だよ」
「何しに来るんだい?」
「矢っ張り取引所のことを卒業論文に書くんだそうだ」
「流行るんだね」
「最近十年のカーヴを調査して、相場高低の原則を編み出すというんだから鼻息が荒い。少し生意気だよ」
「別のカーヴを調査しているんじゃなかろうか?」
「そんな傾向が見えたら、ズドンと一発やってやる」
「頼むぜ」
僕は或日この烏に三越で出会った。考えて見ると、僕をつけて来たのかも知れない。