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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
「ラヂオ科学」1936(昭和11)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 页
大隅学士も、かつてあれに似た洋杖を持っていた。しかしそれは洋杖の握りのところに小型の電球をつけ、それから中身に小さい受信機が入っていたり、石附のところには鈎のついた分銅が入っていて、振るとブーンと呻りを立てて、長い綱が飛び出してくる仕掛けになっていた。しかしその洋杖は惜しいかな、魔の森の中に落としてしまった。ところがドクトルもそれに似た洋杖をもっている。しかしこれは大隅学士のとは違って、実に恐ろしい仕掛けになっていた。
大隅は、もう一度洋杖を見直した。
(どうも恰好がよく似ているが……)
彼にはあの洋杖が、だんだん自分の洋杖であるような気がしてきた。ひょっとすると、あれは中身だけが、あんな恐ろしいものに改造されたのではあるまいか。もしそうだとすると、ドクトル、シュワルツコッフは、どうして自分の洋杖を手に入れたのだろう。
(こいつは変だぞ!)
ドクトルは、遂に鉄扉を焼き切った。書類戸棚は、やがて楽々と左右に開かれた。ドクトルは悦びの色を浮べ、そしてそこに列んでいる書類綴の中から、赤いカバーのついている大型のものを引き出した。そして早速それを抱えるようにして、開かれたページに目を落とした。