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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
「ラヂオ科学」1936(昭和11)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 页
大団円
「シュピオル? なんのことだろう。これはまた新しい大きな謎だ」
「まあその辺で勘弁してくれたまえ。俺のロケットの電池は、電圧がウンと下ってきたのだ。すこし倹約しないと、地球へ帰りつくまで保たないかもしれないからネ」
宇宙を走る佐々砲弾の無線電話は、そこで惜しくもプツンと切れた。
大団円
しかし受話器を台の上に置いた大隅学士の顔は急に若々しく輝きだしたのであった。
「ウム、これだこれだ。『如何なる方法でウラゴーゴル星は地球を引き寄せたか?』という問題の答案が立派にできたのだ。それにしても、何という恐ろしい力を持ったウラゴーゴルだろう! 彼奴等の知識は、わが地球に棲む人類よりも、百年以上も進歩している。恐ろしい大宇宙の敵!」
その翌日のこと、大隅学士は××大学の大講堂の演壇に進んで立って、この重大なる報告をした。これを聴講をするために押しよせた学者の数は無慮一万人にのぼった。会場の警戒線は会の始めから終りまで、二十度にわたって蹂躙された。それは嘗て政談演説会にも記録のないことだった。それは同時に全国中継でもって放送されたが、スピーカーの前に集った群衆は早慶戦以上だったという。