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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
「ラヂオ科学」1936(昭和11)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 页
最後の鍵
彼が長い間知りたいと思っていた怪人辻川博士の研究の秘密が、今温帯を流れる氷山のように、解けはじめたのであった。
最後の鍵
大隅学士は、大きい驚愕を、心の中に隠して、ドクトルに質問を続けるのだった。
「その成長異常は、どうして日本とアルゼンチンだけなのですか」
「そこが一つの解決の鍵です。アルゼンチンに成長異常例があるだろうということは、私の推理から遂に云い当てたことです」
「貴方はドイツにいて、どうしてそれを発見したのですか」
「それには面白い話があるのですが、それは長くなるから止しましょう。とにかく私が第一にこの現象を発見するに至ったのは、気象上の変化に基きます」
「気象上の変化!」大隅学士はそこで大声をあげた。彼も、気象上の変化については大きな関心を持っていたのだ。それはこの矢追村に来てから気がついたことだけれど、村人に聞いてみると、一年中の温度変化が、東京あたりとまるで違った性質を持っている。しかも地形的に見ても不審がある。このように後に山を背負い、前に大海を控えた場所では、四時気候の変化が穏かである筈であるのに事実はそうでなくて、非常に気候の変化がある。