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ちきゅうとうなん

地球盗難

海野 十三

「ラヂオ科学」1936(昭和11)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 页

青空文庫

本館消ゆ

ちょっと面白い説じゃないか」

「それは面白いですね。先生、するとウラゴーゴルなどという怪物は、そんなことで発生したものではないでしょうか」

「大きにそうかも知れない」

と大隅学士は相槌をうった。だがこのとき二人がもっと冷静であってくれれば、その後に当然考えつかなければならなかった或る推理があったのである。ところが彼等は先の相談を急ぐあまり、遂に大切な推理を落とした。それがためこの重大事件は、もっと早く解決すべくして、不幸にも遷延するという結果に陥ったのは是非もない。とにかく隕石の役目はなんのことかハッキリしなかった。

本館消ゆ

大隅学士と巨人少年武夫との相談はそれからも続いた。その揚句、二人は揃ってシュワルツコッフ博士の前に出て、改めて新しい方針を考えようではないかということに一決した。

二人が裏山の蔭から再び姿を現して、本館の方へ、ソロソロ歩きだしたときのことであった。突然、目前がパーッと明るくなった。その明るさといったら、サングラスのない望遠鏡で太陽面を覗いたように、天地が裂けるような物凄い明るさだった。二人はあっと云って両眼を手で蔽うなり、地面にパッタリ倒れた。