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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
「ラヂオ科学」1936(昭和11)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 页
プーに乗った砲弾
その途端に、飛行機の中から、真黒な長い塊が飛び出して、シューッと音をたてて、大隅学士が立っていたその真上あたりに烈しく墜落してきた。爆弾?
プーに乗った砲弾
黒い爆弾様のものは、覘いが狂ったのかどうかは分らないが、とにかく垣根の側にある井戸の中へ飛びこんで、ボチャーンと大きな音を立てた。水中に潜りこんだせいか、遂に爆発もしないで終った。学士は無意識に、納屋の壁に立てかけてあった鍬の柄を逆手に握って身構えをした。
その途端に、空気を裂く烈しい羽音(と思った)と共に、空から軽飛行機が斜めになって舞い下ってきた。そして前の道路にドンとつきあたったかと思うと、ゴム毬のように一つポーンと跳ねかえり尚もそのまま滑走を続けると思われたが、尾部がスーッと浮きあがると見る間に、気持よく空中に弧を描いて蜻蛉がえりを打ち、仰向けにペシャンと引繰りかえってしまった。見ていた大隅学士も思わずハッと息を停めた。
――乗り手はどうした?
と、学士が疑問を起したとき、死んだように働きを停めたそのプーの機翼がユラユラと揺れ、その下からカーキ色の飛行服に身を固めた一人の人物が匍い出してきた。