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てんのう

天皇

蜷川 新

誰が日本民族の主人であるか

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 136,036 字 · 269 页

青空文庫

そうしてそこにこそ、まさしく、日本憲法の定めた天皇制の本質があるといわなければならぬのであろう。」(『思想』第三三六号、鵜飼信成氏の説)と論じている。

この説のように、天皇の地位が、これを動かそうとする不法な政府の政策によつて、ふらふらするものであるならば、日本人は、はなはだしく、その基本人権の危険を感ぜざるをえない。憲法上、明らかに主権は人民にある。日本人民は、そのような危険な憲法をつくつたとは思つていないのではなかろうか。人民は、憲法の明文を楯として、「政府」と称する「公務員の集合体」にすぎない一機関の勝手なふるまいを、断固として打ちやぶることが、その正当な権利である。

憲法上、今日の政府は、天皇を使って、自分かつてな行動を、なしえないはずである。政府は、最高の機関ではない。最高の機関は、国会である。(憲法第四十一条――本書の二九頁)最高の機関であると定められている国会の解散にかんしても、天皇は、国会の下位にある政府のいうままに、すなわち助言のままに、衆議院を解散する権利はない。天皇は、「国民のためにのみ」、その解散の手続きをおこないうるのである。