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てんのう
天皇
蜷川 新
誰が日本民族の主人であるか
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 136,036 字 · 269 页
天皇の地位の曲解
「万邦無比の国体」などと呼んだことは、日本人のむなしい誇称にすぎなかつた。それは、ドイツ人のとなえた「ドイツは世界に超越す」Deutschland uber Alles との豪語とならんでいた虚栄の放言であつたが、二者はともに、いまは消えさつた。「奢るものは久しからず」の古語を回想せしめる。
天皇の地位の曲解
美濃部達吉博士は、新憲法にかんし、奇怪なる解釈をくだしている。たとえば、「天皇御一身が、形体的に、国家の現われである。」という解釈のごときが、それである。「天皇の御一身は、国家である。」というような見解である。それでは、天皇即国家説となるのである。同氏は、機関説をすてて、天皇主権説に変節したのであろうか。また同氏は、「国民の統一が、天皇の御一身によつて、表現せられるのである。」と説いている。それは、天皇によつて、人民が統一せられるとの解釈にとれる。奇怪な言論である。同氏の解釈は、民主日本を破るものである。
一九五一年(昭和二十六年)四月十一日の時事新報夕刊の社説に、「天皇の尊厳は、新憲法において、少しも影響されるものではない。いな天皇は、日本国および日本国民統合の象徴として、むしろかえつて、大いに、その尊厳をくわえたのである。