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てんのう

天皇

蜷川 新

誰が日本民族の主人であるか

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 136,036 字 · 269 页

青空文庫

天皇にたいして、不敬無礼の行為をなすものは、日本国および日本国民自身の尊厳を侵すものにほかならない。かつて天皇を国民から引きはなして、天皇は神聖にして侵すべからずといつたものよりも、日本国および日本国民の象徴としての天皇の尊厳こそ、内容的にも、実質的にも、最高至上のものとなつたのである。」と論じ立てている。

この論文は、憲法の「前文」も、憲法第一条、第四条、第七条も、まつたく、かえりみずに、その論者の旧式の思想をそのままに、無遠慮に書きだしているのである。この論者のいうところは、「天皇即国家」である。「天皇は国民統合者である」というもののようである。主権は国民にあるということをあざけり、天皇は、国の統治権者であつた旧時代の事態よりも、天皇は最高至上の人となつたと解釈しているのである。主権以上の尊厳のある権力者であると説くのである。いかにも奇怪な説である。この論によれば、日本は天皇の国であつて、民主国ではないということになる。これは、民主日本の覆滅論である。日本民族の今日の組織をやぶる説となるのである。この説は、憲法からはなれた一種の迷信説である。