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てんのう
天皇
蜷川 新
誰が日本民族の主人であるか
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 136,036 字 · 269 页
二 明治憲法と天皇の権力
1 明治初年の天皇と世論
なんびとも、それが新聞の社説であるのにあきれざるをえまい。
それならば、いつたい、明治以後「現人神」といわれてきた天皇は、歴史上、どういう地位のものであつたか。人民からは、どのような取りあつかいを受けていたものであつたか。私は、つぎの章で、その成りたちを見ることにする。
二 明治憲法と天皇の権力
1 明治初年の天皇と世論
一八六八年(明治元年)三月には、天皇は、「五箇条の誓文」をもって、神明にちかわれた。それは人民にたいしての誓いではなかった。それによれば、「我国未曽有の変革を為さんとし、朕射を以て、衆に先んじ、天地神明に誓い、大いに斯の国是を定め、万民保全の道を立てんとす。衆亦此の旨趣に基き、協心努力せよ。」と書いてある。そうして、まず第一に、「広く会議を興し、万機公論に決すべし。」と宣言してある。
この宣言によれば、当時は、天皇の権力万能主義などは、まったく考えられなかったものであって、政治は、人民の公論によっておこなわるべきものと定められたのである。しかもそれは、神明にたいしての誓いであったのである。それにそむけば、神明の罰をこうむるものと、天皇自身は、思っておられたものと想像する。