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てんのう
天皇
蜷川 新
誰が日本民族の主人であるか
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 136,036 字 · 269 页
それによれば、神功皇后がたくみに、この事件を始末して、人民の疑いをといているように読まれる。漢文であって、理論の明白味は欠けているけれども、それには、「皇后は、その始末を人に託して、天下の人を信用せしめた。ただ一時、天下の人を信用せしめたのみでなく、百年千年の後までも、よく天下の人をして、ことごとくこれを信ぜしめている。異なる哉。」と書いている。
今の人は、そのころのことを疑わぬわけにはいかない。当時、皇后は、臨月の身であった。皇后は、石をその帯の下にはさんで、子の生まれるのを止めていた、といわれている。昔の歴史の本には、「たまたま産み月にあたる。祈っていわれるには、討伐の仕事がおわって還ってきたとし、この地で生まれますように、と。そうして、軍隊を舟にのせて、新羅にいった。」とある。これまでの人も、この一事は、疑問なしにはすまされなかったことである。今の人としては、すべて虚偽であると、直言せざるをえない。
神功皇后の摂政の時代に、仲哀の子の麝坂、忍熊の二人が反抗した。神功皇后への反抗であった。疑問の皇后に徳望の欠けていたことを示している。
第十五代の天皇応神の時代には、武内宿禰を筑紫に差しむけたところ、宿禰の弟の甘美内宿爾は、「兄に異心がある。