轻松读懂日语经典作品
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きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年6月~7月、9月~10月、1932(昭和7)年1月~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 66,038 字 · 133 页
「三吉、お前は飛んでもないことをしたんだ相だね。その上、捕まってからも、人を傷けたというではないか。お前は何という馬鹿だろう。こんな動物の檻の中へ入れられるのも、お前の智恵が足りないからだよ。悲しいとは思わないのか。素直に何もかも白状してしまうがいいじゃないか。お前が云わなくても、こうして僕が知ったからには、僕からすっかり申上げてしまうよ。その方がお前の為なのだ。警察の方も、お前の哀れな素性をお聞きになったら、きっと同情して下さるよ」
黒瀬は檻の鉄棒に顔をくッつけて、涙ぐんだ声で、諄々と悟し聞かせるのであった。ゴリラの方でも、久方振りの対面を懐かしがってか、黒瀬の側へすり寄って来て、じっと蹲まっていた。
黒瀬は話しながら、鉄棒の間から手を入れて、ゴリラの背中をさすったり、その手を握ったりした。そんなにされても、ゴリラは、まるで猛獣使いの前に出たけだものの様におとなしかった。
画家とゴリラとの不思議な対面は三十分程もかかった。彼はその間、ゴリラを説き伏せる為に、ボソボソ、ボソボソ囁き続けていたのだ。そして、結局彼の努力は報いられた様に見えた。
「とうとう説き伏せました。