轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年6月~7月、9月~10月、1932(昭和7)年1月~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 66,038 字 · 133 页
米粒が五つ
警視庁の名探偵達も、「こんな狐につままれた様な事件は初めてだ」と腕を拱くばかりだ。
ところが、賊の方では、何たる図太さであろう、其筋の捜査を手ぬるしと考えたか、実に奇々怪々の手段を弄して、秘し隠しに隠すべき我が名を、「これを見よ、これでも君達は俺を捕えることが出来ぬのか」と、繰返し繰返し市民の前に発表した。
この賊、若し狂人でなかったなら、百年に一度、千万人に一人の、凶悪無残比類なき大悪党と云わねばならぬ。
米粒が五つ
お話変って、被害者鳥井青年の友達に、大江蘭堂という奇妙な号を持つ探偵小説家があった。蘭堂なんて老人臭い号に似ず、まだ三十歳の青年作家で、その奇怪なる作風と、小説ばかりではなく実際の犯罪事件にもちょいちょい手出しをする物好きとで、その方面では可成有名な人物であった。
その様な蘭堂であったから、鳥井青年変死の顛末を聞くと、友人の不幸を嘆いたばかりでなく、一歩進んで、この奇怪なる犯罪事件を自から探偵して見たいという野心を抱いているらしく、友達などにもその意嚮を漏らしていた。
彼はまだ独身のアパート住いであったが、恋を知らぬ木念仁ではなかった。