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にっき
日記
宮本 百合子
10 一九二四年(大正十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,778 字 · 82 页
鶏の舞踊 意味なし。
胎臓 四つのうちではまあいい方。しかしあの鯉はなくてよし。男の子、誕生、と云うことにまかせたのなら風俗すぎる。もっと形のきまらない蠢動でよいではないか。
耕花 色彩にぐんとしたところがある。或諧調もある。然しおしいことには、紙の表面丈をぬった感じがある。もう少しぽっこり厚みがほしい。地を白いままで置いたのが原因と思う。淡い黄にでも描いたらと思った。
富田溪仙が、金地をつかってミニエチュア風の春日の舞姫を書いて居た。金ではいけない。つやのない黄。どこかでそんな絵を一つ見たいものだ。
総体、日本画が、どんなに新方面を開こうとして努力して居るかを示して居る。ためにまるで悪趣味なものさえある。帝展が、屏風など多く、売れ行も考えて居るのに此方の作は、習作的な傾向のあるのは面白い。
昏光経(動物戯画)
は鎌倉、古くて足利時代の味を出そうとしたもの。ある程度まで成功して居よう。画巻物を研究した人と見え、或場所に現代と過去が入れ混りになって居るのが見える。
竹の葉、山の細道等、古人の飾らず努めず稚い、大らかな気のただよって居るところ、これにはない。