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げんだいゆいぶつろんこうわ
現代唯物論講話
戸坂 潤
「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页
之はイデオロギー乃至一つのイデオロギーとしての理論を通しての夫と対応する。その関係は唯物史観乃至イデオロギー論に譲って良いと思う(認識・模写・の政治性・階級性・党派性、それに於ける唯物弁証法としての理論と実践との統一及び歴史と理論との統一、それからしか結果し得ない客観的真理、に就いては世間で甚だ懇切に解説されている)。
模写・認識・は、かくて諸段階を通して実践的に構成される。ただカント流の構成主義の特異点は、之が模写の実践的構成であることを見る代りに、理性乃至悟性の観念的自発性による単なる構成だと見做すことに存する。認識が本来模写ということだという点を、古来の形而上学に対する敵本主義故に見逃したことが、カントの物自体の問題をクリティカルな袋路に追いやったのである。この問題はヘーゲルに至っても解けていない。彼の具体者――それが真理だ――は或る意味で構成の所産であるが、抽象的なもの(例えば Sein)が概念・観念・の上での抽象物で、存在(物質)それ自身からの抽象物ではなかったことに対応して、具体者は客観的な物質にまでは帰着出来ない。概念は物自体の模写にまで回帰出来なかったのである。