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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

二 マルクス主義とは何か

の最後の一部分と重複する個処を含む)。

二 マルクス主義とは何か

まず第一にマルクス主義の定説に相当するモメントに就いて。マルクス主義の定説は様々な名辞によって特徴づけられている。科学的社会主義・共産主義・唯物史観・又歪曲されては経済史観・等々。だが一体この種の名づけ方は、単にマルクス主義の一部分を取り出して特徴づけているものでしかない。それは先に云っておいたことから明らかである。マルクス主義とは単なる社会歴史理論ではなくて、普遍的な理論であった。で、そういう普遍的な理論としてのマルクス主義の定説は、正当には弁証法的唯物論(又は唯物弁証法)と名づけられねばならないだろう。さてここで吾々は唯物論と弁証法との二つの契機に注意すべきである。

人々が学校や大学で聴くだろうあり来りの哲学概論に於ては、恐らく唯物論は最も浅薄な卑俗な素朴な思想であるかのように取り扱われるだろう。唯物論は――そして大抵この名の下に十八世紀のフランス唯物論及び十九世紀のドイツ唯物論を頭に置いているのだが――すでに、観念論によって克服され終った古い思想であるかのように教えられるだろう。