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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

三 生物学に於ける哲学的諸問題

この内最も意味のあるものとして、ベルグソンの『形而上学』を挙げることが出来る。所謂「生の哲学」はこの種の哲学と直接に関係する場合が多い*。

* この種の哲学の一応の批判は Rickert : Philosophie des Lebens に譲ろう。

三 生物学に於ける哲学的諸問題

吾々は之まで、生物学を、「生物学は如何なる科学か」という方面から、即ち、夫が一個の科学であるという方面から、更に云い換えれば、一応の意味で夫の方法の方面から、見て来た。今度は生物学を一応の意味に於けるその対象から、即ち生物そのものの存在との関係から、見よう。併しこのことはとりも直さず、生物という存在の特色を明らかにすることに他ならない。実はそうすることによって初めて、「生物学は如何なる科学か」という問題も具体的に答えられる。蓋し対象から一応引き離して考えられた方法はその限り抽象的であることを免れないからだ。「生物学は如何なる科学か」はそこで、「生物学に於ける哲学的諸問題」にまで具体化されなければならぬ、生物学方法論は生物学哲学にまで具体化されねばならない。――そして最後に、生物学に於ける哲学的諸問題とは、とりも直さず、一般生物学自身の諸根本問題の他ではないのである。