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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

二 直観空間

空間の真理は、空間の真の規定は、この間接態と直接態との総合以外にはない。

空間の問題は、心理学・幾何学・物理学・及び哲学・等々の諸科学乃至理論を、横断している。それが分科的な見地からは正当に取り上げられることが出来ず、ただ統一的な見地に立ってのみ解決出来る問題である理由なのである。一体に唯物論の取り上げる問題はそうしたものである。

直観空間・幾何学的空間・物理的空間・日常的空間・吾々は今、之等四つの空間形態を次々に遍歴し、その結果を出来るだけ統一して見よう。

二 直観空間

心理学では空間を、空間表象と考える。この空間表象はどうやって他の諸感覚から発生・成立・するか。吾々はシュトゥンプフ(C. Stumpf, ※(ダイエレシス付きU)ber den Psychologischen Ursprung der Raumvorstellung, 1873)の叙述を借りて出発しよう。それにはほぼ三種類の考え方が区別される。第一は、空間が任意の単一な感覚内容(Sinnesqualit※(ダイエレシス付きA小文字)ten)から生じたのであって、空間という特殊の感覚内容があるのではないと考える(J・F・ヘルバルト(†1341 の場合)。