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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

要点は種の論理の提唱にある、だから之はおのずから例の「無の論理」の批判として出発しなければならぬ。――この「種の論理」を比較的純粋に、と云うのはその社会哲学的な各種の主張から比較的独立に、分析したものが「種の論理と世界図式」(『哲学研究』昭和十年)なのである(「世界図式」に就いては二年程前に独立の論文が発表されている)(「図式『時代』から図式『世界』へ」『哲学研究』二〇〇号)。

この論文は一面に於て西田哲学の根本的な批判であると共に、之と対比させられた高橋里美氏の全体主義の哲学に対する批判や、更に唯物論やハイデッガー主義やに就いての批判などが組み合わされている。一見現代哲学の諸形態の総合的批判なのだが、それがつまり種の論理の強調と、その内容たる(時間図式に代る)世界図式の力説によって纏められているのである。特有な民族理論と国家理論とが多少とも織り込まれていることは、原則上已むを得ないことで、前の「社会存在の論理」のように一々吾々の社会感情を刺激するような意見が、あまり露骨に出ていないことは、吾々にとって多少幸福だ。

論理的綿密と論理的徹底とを欲して已まぬ博士であるから、逐字的に読んで行けばどんな立場でも一応の筋が立っている。