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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

今日の進歩した自然科学や社会科学の専門家達が、いずれも知ると知らずとに拘らず世界観を持っているというのが一つの事実であって、そして今日人々は、こうした世界知識に相応した高次の世界観をこそ、最も普通に、「世界観」と呼んでいるからである。

すでにここで世界観(世界直観)というものと、云わば世界思惟というものとの、対立と連関とが問題になって来るが、それに就いては予め一つの事柄を考慮しておく必要がある。普通、世界観は類型乃至典型を有つもので、又それしか持てないものだと考えられている。世界観の理論は世界観の Typenlehre だというのである。だが類型という範疇の宿命から云って、之は区別と性格づけと云ったような解釈上の限定を与えることが出来ても、一つの類型と他の類型との間の必然的な連関又は移行を、論理的にも時間的(歴史的)にも解明することは出来ない。類型は本来こうした理論的な説明のための範疇ではなかったのである。

で、もし世界観が類型としてしか把握されないなら、一つの世界観と他の世界観との間の必然的な連関や移行は説明の他になるわけだが、併し実際には、先にも云った通り、一つの世界観は次第に高次の世界観にまで、歴史的に、認識の発達と一緒に、変化し従って又分化して来るのだった。