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げんだいゆいぶつろんこうわ
現代唯物論講話
戸坂 潤
「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页
二 生物学は如何なる科学か
を対立せしめた。諸科学に対しては諸科学論があるわけである。併し諸科学論は一つの科学論に統一されるのでなければ、その目的は果さない。何故なら、諸科学相互の連関を明らかにするためにこそ科学論が必要だったのだから。そこで諸科学論を一つの科学論に統一する処のもの、それを世界観――多少の臭味を厭わないならば人生観――と呼ぶ他はない。無論茲で作用する世界観は単なる思い込みや空想ではなくて、厳密な理論に基かねばならない。この理論的な世界観、それが、前に意味したよりも一層立ち入った意味での、所謂哲学なのである。一般に科学と科学論とのかの対立は、であるから、より立ち入って見るならば、一般に科学と哲学との対立に由来している(之が哲学と科学という二つの学問の一般的な関係である)。そうすれば前に生物学が生物学論に対立したのは、実は今や生物学が生物哲学乃至生物学哲学に対立することなのであった。――だが吾々は、生物学とは何か、から始めなければならない筈であった。
二 生物学は如何なる科学か
例えば経済学が自然科学であるかないかは、一応意味のある問題であるかも知れない。何故なら、経済学が取り扱う物的財なるものは、夫が物的である限り自然物でありそうなのに、夫が財である限り社会的範疇に這入りそうであるから。