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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

前に、生物は少なくとも形態を有つと云ったが、今は生物は少なくとも形態を形成する、と云わねばならなくなった。形態を形成することは併し同時に形態を保持することを意味する。そうでなければ生物が形態を形成したという状態――それが前の所謂形態そのものである――はあり得ないから。で生物は少なくとも形態を形成し且つ保持する存在であると云うべきである。実際単に形態を有つというだけならばそれは何も生物には限らない現象である。恒星も建築物も形態は有っているに間違いはない。ただ恒星や建築物は自分でその形態を取ったのではない。何故なら星雲である内は恒星ではなく石材である内は建築物ではないと人々は考える。形態は云わば出来上った瞬間に之に外から付着する。之は形態を形成するものではない。であるから又之を外部からの力で破壊すれば何時でも形態は離れて了う、それは形態を保持しない。

吾々はここで形態の問題から発生――形態の発生過程――の問題に移っている。そこに発生学があるのである。

注意しなければならないのは、これまでの道行が形態という概念の――過程概念へまでの――発展から見たという点である。