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げんだいゆいぶつろんこうわ
現代唯物論講話
戸坂 潤
「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页
三 唯物史観の輪郭
だから研究はこの最も具体的な存在を所与(直接者)とする。かくて、之は観念的方法ではなくて正に唯物的・実証的・方法であるのである。
マルクス主義はその定説から云えば弁証法的唯物論であり、その方法から云えば唯物論的弁証法である。そして定説と方法とのこの対立物は一つに統一されている。それはマルクス主義に於ける理論と実践との統一の一つの結果に過ぎなかった。――以上がマルクス主義理論の一般的な内容である。それは世界観・哲学・であると共に、科学的研究方法である。而もこのような理論がすぐ様、あくことなく、実践に、就中政治的実践に結合していたことを忘れてはならない。
だが政治的実践と云えば、問題はすでに、歴史的社会的な人間生活に関係して来る。ここで吾々は初めて、吾々の限定された問題、社会科学の問題に来る、話は唯物史観に這入る。
三 唯物史観の輪郭
唯物史観(史的唯物論)と訳されるものは、云うまでもなく、歴史の、人間社会の歴史の、唯物論的(唯物弁証法的)把握のことである。だからそれは定説としては弁証法的唯物論の一つの部分であり、又方法としては唯物論的弁証法の一つの適用であり、又それに過ぎないことを注意すべきである。