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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

一般に吾々は、こうやって初めて、分析という抽象を用いることによって却って認識を具体化することが出来るのである。

ブルジョア社会に於ける商品は、社会自身の構造を自分の構造として集約している、商品には一切のブルジョア社会関係が、その人的関係をも含めて、含蓄されている(商品の物神崇拝性)。――夫はこうである。

商品は何時の世でも、使用価値と交換価値とを持つが、ブルジョア社会の商品は、使用・消費・故の交換を目的として生産されるのではなくて、単なる交換を目的として生産されるのだから、商品価値は専ら交換価値に帰着する。様々に質を異にした使用価値は、そのものとしては相互の比較を許さないが、交換価値になれば共通の尺度によって相互に比較されることが出来る。商品の価値は、与えられた発展段階に於ける生産関係に相応する処の平均的な人間の平均労働のどれだけが(何時間分が)その商品生産に必要であるかによって、決定される。価値の生産者は人間労働である。――この価値に基いて初めて商品交換は可能となる。そして一切の商品交換のための共通な用具として、特殊な物性と社会的機能とを備えた一定の商品として、金・貨幣が見出される。