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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

自由とか人間性とかいうものと、この点全く同じだ(後を見よ)。

実際こうした実例はかつての行動主義乃至能動主義だった。之が日本で提唱されたのはフランスに於ける文化擁護作家大会の刺激によるものであるが、云うまでもなく之は、国際的な思想抵抗線上に現われた一つの新しい積極的原則を押し立てた。フランス文化の伝統にぞくするリュマニテ(自由と人類の進歩)がそれだ。だが日本に之が伝えられた形は、もはやこうした事実上の反ファッショ的な役割を有った積極的原理としてではなかった。それはもう少し偏極されて抽象的に行動一般や能動一般の主義となったのである。だがこうしたものさえが日本に於てとに角社会的に一応問題にされることの出来たのは、大衆の観点から見れば(この派の文士インテリの眼からではなく)、之が思想的抵抗線上の新しい積極的原理であるかも知れないという期待からだったのである。

だが行動主義一般や能動主義一般は、イタリヤのファッショ哲学代表者ジェンティーレの Aktivismus にも通じれば、ナチ哲学の一つの淵源であるフィヒテの Tathandlung(Tat は Tun =「なす」