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げんだいゆいぶつろんこうわ
現代唯物論講話
戸坂 潤
「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页
だが吾々は最後にも一つの場合を付け加えよう。質的幾何学は普通純粋幾何学によって代表されるが、なおその他に、位置解析(Topologie)と呼ばれる質的幾何学がある。そこでは他の一切の幾何学の場合と異って、単に空間関係や空間内の図形が問題になるのではなくて、独立した個体としての図形の性質が探究される。個体としての図形が問題であるから、図形が他の図形から切れているか之と接いているかが、そこでは何よりも問題である(之が結合 connexus の概念である)。例えば或る図形の面ならば、その面に折れ目が這入っているかいないかが問題である(そこから面の裏表の区別も亦大切になって来る――メービウスの面)。恐らくは之こそ幾何学の中で最も幾何学らしい領域であるかも知れない。だからH・ポアンカレ(†1912, Derni※(グレーブアクセント付きE小文字)res Pens※(アキュートアクセント付きE小文字)es)は之だけが本当の純粋幾何学だと考えた。それ故ここでこそ固有に幾何学的なものが最も目立って現われなくてはならぬ。個体としての図形が取りも直さずそれであった。