轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

01 上巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 150,580 字 · 287 页

青空文庫

二

そして、少し体の調子が悪いと、ヴィタミンB欠乏のせいにしたが、誰が云い出したのかそのことを「B足らん」と名づけていた。

ピアノの音が止んだと見て、妙子は写真を抽出に戻して、階段の降り口まで出て行ったが、降りずにそこから階下を覗いて、

「ちょっと、誰か」

と、声高に呼んだ。

「―――御寮人さん注射しやはるで。―――注射器消毒しといてや」

二

井谷と云うのは、神戸のオリエンタルホテルの近くの、幸子たちが行きつけの美容院の女主人なのであるが、縁談の世話をするのが好きと聞いていたので、幸子はかねてから雪子のことを頼み込んで、写真を渡しておいたところ、先日セットに行った時に、「ちょっと奥さん、お茶に附き合って下さいませんか」と手の空いた隙に幸子を誘い出して、ホテルのロビーで始めてこの話をしたのである。実はこちらへ御相談をしないで悪かったけれども、ぐずぐずしていて良い縁を逃がしてはと思ったので、お預かりしてあったお嬢様のお写真を何ともつかず先方へ見せたのが、一箇月半程も前のことになる。それきり暫く音沙汰がなかったので、自分は忘れかけていたのであったが、先方ではその間にお宅さんのことを調べた模様で、大阪の御本家のこと、御分家のお宅さんのこと、それから御本人のことについては、女学校へも、習字やお茶の先生の所へも、行って尋ねたらしい