轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页

青空文庫

「僕は皆にきいてもらいたいことがあるんだ。ぜひきてくれたまえ」

と堀口生は松村君の手を取った。

「どうする? 高谷君」と松村君は相談した。

「さあ」と高谷君は正三君をかえりみた。

「僕を信用してきてくれたまえ。僕は皆にあやまるんだ」と堀口生は松村君をグイグイひっぱる。

「そんなことをしなくてもいいよ」

「いや、僕は気がすまない」

「それじゃゆこう。僕だけゆく」

「皆きてくれ」

「どうだ? 皆」

「ゆこう」

と一同承知した。

運動場の一隅に古い卒業生の植えた記念樹が十数本今はかなりの大木になっている。その下がいちめんの芝生で、生徒はいつもそこへ寝ころがる。教員室から見通しだから、ここで喧嘩なぞはできない。そういう考えもあったので、皆はやや安心して堀口生についていった。

「松村君、ここへ坐ってくれたまえ。さあ、皆」

と堀口生はまず芝生に腰をおろしてうつむいた。そのまま口をきかない。

「いったいなんの用だね?」

と松村君がうながした。高谷君と細井君は万一を警戒して中腰になっていた。

「松村君、僕だって皆と仲よくしたいんだ。さっききみが皆からの返礼だっていって僕の頭をなぐったとき、僕は死んだお父さんのことを思い出したんだ」