轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页
「インキがこぼれています」
と気がついた。
「かかったかかった」
と照彦様はうち興じた。
「すいとり紙を持ってきます」
「まだかかっている。ハッハハハハ、これはおもちゃだよ、きみ」
「ははあ」
と正三君はあきれて手に取って見た。
「散乱心を戒めてえ。ヘヘヘンのヘン」
ととなりの机から照常様が安斉先生の声色を使った。
「エヘン」
とそこへ本物の安斉さんがはいってきた。学習室はふたたび緊張した。先生はしばらくの間三つの机を見まわっていたが、たちまち、
「黒須君」
とややせきこんだ。
「はあ」
「お袖にインキがつきます。それそれ!」
「あ、これでしたか」
と黒須さんは気がついて、
「安斉先生、これはおもちゃでございます」
と頭をかいた。
「おもちゃ?」
「はあ」
「どれ」
と安斉先生もかかって見ると好奇心がおこる。手に取って検めながら、
「なるほど。念の入ったものですな」
「恐縮です」
と黒須先生、若様がたの遊び相手を勤めていたようではなはだ具合がわるい。
「なあに、時には座興も寛ぎになってよろしいです」
「実は私もひっかかったのです」
「君子も道をもってすればこれを歎くを得べしとあります。