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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页

青空文庫

石炭泥棒

「おたがいです。しかし僕はこれからがんばりますよ」

「僕もがんばる」

と主従は和解が成立した。

石炭泥棒

授業がすんで先生の姿が戸口に消えるか消えないに、生徒たちはストーヴの側へかけよって、早いもの勝ちにあたたかいところへ陣取る。休憩時間は運動場へ出なければいけないのだが、戸外は寒い。毎日空っ風がふいて、砂塵をまきあげる。

「先生、僕は喉をいためています」

「よろしい」

「先生、僕はかぜをひいています」

「よろしい」

「先生、僕は流感がなおったばかりですから」

と病人の出ることおびただしい。先生も天候次第で大目に見てくれる。

このストーヴをとりかこんで話すのをストーヴ会議と称する。クラス会みたいなものだ。先生がついていないだけに、遠慮がなくていい。十分の休憩時間が惜しいくらいに早くたってしまう。ありがたいのは雨の日の昼休みだ。天下晴れて語りあう。

しかし学校では昼から石炭を倹約する。十一時の休憩時間に小使いの関さんが武蔵坊弁慶のような格好をしてはいってくる。兵隊あがりの名物男だ。石炭を持っている時はことに評判がいい。

「関さん」

「関上等兵」

「関閣下」

なぞと皆ごきげんをとって、