轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页
おのずから貴公子の威厳がそなわっているからだろうと正三君は最初の中ごく単純に解釈していた。ことに高谷君と細井君は照彦様びいきで、
「僕たちはこの間花岡さんの家へいった。実に大きな蜂の巣があるぞ」
「僕は花岡さんの家で柔道を習った。花岡さんは柔道ができる」
としきりに花岡さんを持ち出す。しかしまもなく正三君はこの「花岡さん」が秋山先生の口ぐせからきていることを承知した。秋山さんは同じく花岡家の旧臣だ。
先生がたは出席簿を呼ぶ時、
「坂本。井上。上村」
と呼びずてにする。席順は成績順でもイロハ順でもなく、身長順だから、照彦様と正三君は中軸になる。ところで秋山先生の点呼は一種独特だ。
「坂本。井上。上村」
と規定どうり呼びずてで始めるが、照彦様から三人前へ来ると急に、
「細井君。島原君。庄司君」
と君づけにして、つぎに、
「花岡さん」
とやる。それから、
「内藤君。中川君。関根君」
とまた三人君づけで、以下呼びずてにもどる。若殿様が教室にいると、先生はやりにくい。
「あれは家来だから、ああするんだ」
「後先の三人はお相伴だ」
と同級生も察している。ただし秋山先生はいたって評判がいい。