轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せいねん
青年
「昴」1910(明治43)年3月~1911(明治44)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,670 字 · 246 页
我々はそれに満足することが出来ないで、我々の触角を外界から内界に向け換えたでしょう。それに未来の子供が、いろんな器械を持って来てくれたり、西瓜のような大きさの林檎を持って来てくれたりしたって、それがどうなるでしょう。おう。それから鼻糞をほじくっている子供がいましたっけ。大かた鴎村さんが大発見の追加を出すだろうと、僕は思ったのです。あの子供が鼻糞をほじくりながら、何を工夫しているかと思うと、太陽が消えてしまった跡で、世界を煖める火を工夫しているというのですね。そんな物は、現在の幸福が無くなった先きの入れ合せに過ぎないじゃありませんか。そりゃあ、なる程、人のまだ考えたことのない考を考えている子供だとか、あらゆる不公平を無くしてしまう工夫をしている子供だとか云うのもいました。内生活に立ち入る様な未来もまるで示してないことはないのです。しかし僕にはそれが、唯雑然と並べてあるようで、それを結び附ける鎖が見附からないのです。矛盾が矛盾のままでいるのですね。どう云うものでしょう」
純一は覚えず能弁になった。そして心の底には始終おちゃらの名刺が気になっている。大村がその本をよこせと云って、手を出すような事がなければ好いがと、切に祈っているのである。