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せいねん
青年
「昴」1910(明治43)年3月~1911(明治44)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,670 字 · 246 页
町屋の店先に莚蓆を敷いて、子供が日なたぼこりをして遊んでいる。
動物園前から、東照宮の一の鳥居の内を横切って、精養軒の裏口から這入った。
帳場の前を横切って食堂に這入ると、丁度客が一人もないので、給仕が二三人煖炉の前で話をしていたが、驚いたような様子をして散ってしまった。その一人のヴェランダに近い卓の処まで附いて来たのに、食事を誂えた。
酒はと問われて、大村は麦酒、純一はシトロンを命じた。大村が「寒そうだな」と云った。
「酒も飲めないことはないのですが、構えて飲むという程好きでないのです」
「そんなら勧めたら飲むのですか」
この詞が純一の耳には妙に痛切に響いた。「ええ。どうも僕は passif で行けません」
「誰だってあらゆる方面に actif に agressif に遣るわけには行かないよ」
給仕がスウプを持って来た。二人は暫く食事をしながら、雑談をしているうちに、何の連絡もなしに、純一が云った。
「男子の貞操という問題はどういうものでしょう」
「そうさ。僕は医学生だが、男子は生理上に、女子よりも貞操が保ちにくく出来ているだけは、事実らしいのだね。しかし保つことが不可能でもなければ、保つのが有害でも無論ないということだ。