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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
クーデターによって政権を奪取し、軍の独裁政権を樹立しようという企てである。その計画案は次のようなものだった。
1 二月中、大規模に無産三派連合の内閣糾弾の大演説会を日比谷に於て開催し、倒閣の気勢を揚げ、且つ議会に向いデモンストレーションを行い、本格的に決行する場合の偵察的準備を行う。
2 三月、労働法案上程の日を期し、破壊、政権奪取を決行する。この日、首相官邸、政民両党の本部を爆破する。但し爆弾は爆声大なるも殺傷効力なきものを使用する。
3 小川博士の計画による大衆一万人動員を行う。八方より議会に対しデモを行い、各縦隊の先頭には計画に諒解ある幹部を配して統制を取る。また各縦隊には抜刀隊を置き、必然的に予期せらるべき警官の阻止を排除す。
4 軍隊は非常集合を行い、議会を保護するとしてこれを包囲し、内外一切の交通を遮断す。またあらかじめ将校(主として桜会のもの)を各道路に配し、縦隊に対し、国民大衆の要求は軍部が貫徹すべく努力するをもって一切を委し秩序を保つべきを要求する(各縦隊に配しある幹部はこれを実行す)。
5 この情勢に於て、某中将(この氏名は最後まで秘匿され、今日に至るも明らかでない)はK、T両少将のいずれか一名と他の数名の将校を率いて議場に入り、各大臣に対して「国民は今や現内閣を信任せず、尾垣大将を