轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
灼きつける太陽でその岩は、手を当てるとヤケドしそうなくらいな熱さだった。そんな岩にくっついている貝も、こう照りつけられてはたまったもんじゃないと思う。これじゃ、乾し殺されやしないか。つめたい海のなかの岩にくっついてたらよさそうなものにと思う。なぜ、こんなところにいるのだろう。どうしてこんな苦しいところで生きているのか。
満潮のときには海水をかぶる。そのとき、エサが取れる。と言うより、海の表面に多いエサが、常時海のなかにいるより、このほうが取りやすいのだろう。つまりこの小さな貝にとっては、こういう場所のほうがむしろ、エサを取るのにいいのだろう。だが、それにしても、これはなんという艱難辛苦だろう。
「えらいもんだな」
とつぶやいて俺はすぐ、チェッと舌打ちをした。艱難辛苦なんてことをすぐ思う自分に俺は舌打ちをした。艱難辛苦をほめる自分自身に対して、にがにがしいおもいだった。
艱難辛苦なんて真平だ。いっそ丸万のダイキョウ(兄弟分)にでもなって、波子がすすめていた「大仕事」を俺もやろうか。このイソダマみたいに艱難辛苦して、あげくの果てに簡単にバラされるなんてのは、いやだねえ。