轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页

青空文庫

大粒のタリル(涙)をポロポロと頬につたわらせて、

「あたしも四郎さんに射たれて死んだほうがいいんです。そのほうが、しあわせかもしれない。でも……」

「照ちゃんを射つのは、もうやめた」

「万一、四郎さんの身に何かあったら、あたし、生意気言うようだけど、内地のご家族はちゃんと守ります」

「そのために、照ちゃんは死ねない?」

「いいえ、まだ、あたしも死にたくない」

涙はもうとまっていた。夏の通り雨みたいに、眼は晴れていた。

「あたし、四郎さんに約束します。万一のことがあったら――そんなこと、ないと思うけど、かならず内地のほうは、あたしが……せめて、そのくらいのことはさせて下さい」

「うれしいことを言ってくれらあ」

胸がじーんとなったので、わざとそんな語調にして、

「そいじゃ、俺のかわりに丸万の家族を頼む。照ちゃんは砂馬一家の丸万は知ってるだろう」

「知ってます。あたしがあすこに出ていたころ、四郎さんと一緒に来てくれた……」

「そんな古いことを覚えてる……?」

「あたしだって、四郎さん……」

「その丸万の奴、ふんづかまりやがった」

丸万はいつだったか、子供ができたので砂馬の子分になったと俺に言った。