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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

処が数理経済学の立場は、こうした弁証法というような非数学的・文学的・な方法の代りに、数学的に精密な併し数学的に抽象的な、従って夫だけでは経済現象の具体的運動の説明に就いては本質的に何の役にも立たない方法を、置き代えようとするのである。――この立場・方法によれば経済現象に於ける歴史的原理は全く捨象し去られている。だから歴史的事実は、今の処全く経験論的な統計的方法に立っている処の景気変動論というようなものに一任される外はない。そして而も、形式的な数理的方法と、経験的な統計的方法とが、一体どうやって結び付けるかは抑々問題であろう。

数理経済学は、その方法から特色づければ、社会学的均衡理論――之は数理経済学と共にパレートが得意とした処である――の一部分に相当する。この均衡理論が社会を如何に機械論的に取り扱うか、従って如何にそれだけ非弁証法的・形式論理的に夫を取り扱わねばならぬかさえ見れば、ブルジョア経済学のこの精鋭が何であるかが判る。――之は唯物史観(歴史的唯物論)に対立する・弁証法に対立する、観念論の形式主義の・最も近代的な適用物に外ならない。

社会や又国家がこうした対立する二つの問題提出の形態によって、階級的に把握し分けられるばかりではなく、マルクス主義的社会科学とブルジョア社会科学とでは、抑々発端の問題それ