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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

だがそうかと云って又夫が、例えば厳密な現象学的方法――本質直観――などによることにはならないのだ、とそうヴェーバーは警告する*。

* Ideen, S. 6―12.

文化は、歴史は、精神的であった。その奥底には本来、文化哲学が、歴史哲学が、内在していなければならない。だがこの精神的なものが、歴史に於て、物体的な形象となって現われるということも亦事実である*。歴史的世界の最も深刻な意味――それが精神である――は、単に形而上学的・哲学的・に問題となるばかりではなく、現象の世界・形態の世界・の内にあるものとしても亦、取り上げられることが出来、又そうでなければならない。優れて精神的であった歴史乃至文化は、社会現象の平面にまで引き降ろされる。夫が文化社会学なのである*。――精神は今や、ヴェーバーの文化社会学によって、ヘーゲル風のイデーの高みから、社会的存在の地上にまで、引き降ろされる。

* Ideen, S. 48.

かくて狭義に於ける精神・文化・歴史は、「社会過程」の床の内に横たえられる。否、社会過程そのものがすでに、人間の自己発動的な自然的衝動力や意欲の力を、社会的な一般形式にまで齎すものに外ならないから、それだけですでに――生物学的なものに対しては――歴史的だとも考えられねばならない。