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イデオロギーがいろん
イデオロギー概論
戸坂 潤
第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页
の哲学は、マルクスの「物質」の哲学――だがそれが「社会学」ではなかったことを忘れるな――によって代られた。処が物質の哲学はもはやすでに「哲学」ではない、でドイツ観念論哲学は或る意味に於て、ここに終ったのである。
ドイツ民族は、即ち又ドイツ国家は、過去数十年来あれ程目醒しく台頭して来たにも拘らず、今日ではすでに、全く行きづまって了った。大戦後のドイツは、例えばナポレオンに征服されたドイツ――そこにはヘーゲルが生きていた――とは、全くその発展の切線方向を異にしているのを見ねばならぬ。かしこにはドイツ新興資本主義の隆々たる前途があり、ここにはその垂直的な下向線がある。今や、問題はドイツの没落と救済とでしかない。救済主はアメリカであるかソヴェートであるか、それともヒトラーであるか。これは経済的・政治的な問題である。――だがドイツ民族的「精神」は、ドイツ的「文化」は、又この問題と平行しないではいない。ドイツ的精神・文化も亦今や没落に瀕している。それは救済されねばならない。だがドイツ精神・ドイツ文化はヨーロッパ(及びアメリカ)精神・文化の、代表者でなければならなかった。