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イデオロギーがいろん
イデオロギー概論
戸坂 潤
第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页
現代に於ける一切の複雑な階級乃至身分の歴史的乃至同時代的交錯は、愈々益々ただ二個の階級性格に帰着しつつあるだろう。夫々の階級は各々みずからを全体社会だと考え又はあろうと欲する。部分は全体を代表する、それは単なる部分ではなくて動的な・実践的な・弁証法的な対立した部分である。――階級はかかる階級対立としてしかない。そこで、シェーラーの階級はそのまま全社会であるかのように見える。従ってそれはヨーロッパそのものであることが出来そうである(茲で彼自身は却ってヨーロッパ主義者であることを注意せよ)。それ故シェーラーの階級の没落は即ちヨーロッパ自身の没落でなければならない、「ヨーロッパ主義」はそれ故にこそ没落せねばならなかった。
一階級の没落の無視を合理化するには併しながら、合理化する主体の個性的・性格的条件に制約されることが必要である。そこで、「労働の知識」である実証科学は「教養の知識」である形而上学に、そしてこの形而上学は又「救済の知識」である宗教に、奉仕しなければならない(前を見よ)。労働は教養に、教養は信仰に、奉仕せねばならぬ。労働者は市民に、市民は僧侶に、奉仕せねばならぬ。