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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页
ここではデカルトが確立したように空間は延長なのである。人間の意志のひろがりが権利であるように、自由の感覚も、またこの延長の空間的感覚の生活的理解であったのである。
もはやここでは空間は畏れではない。また身分の重圧の集合ヒエラルキーの空間でもない。自由な個性と欲望の豊かな氾濫、光と線による自分の視かたの構成の体系の誇示なのである。それは、しかし永遠の体系ではありえなかった。ゴーガン、ゴッホで、その個性の豊かさは最高の点にまで達し、ようやくそのカタストローフ、その空間の破壊が支配しはじめたのである。つまり人間がその人格の存在をみずからの生活の中に崩壊しはじめたのである。
近代資本主義はアダム・スミスの自由論の段階にはふみとどまってはいなかったのである。すでに資本主義の根底にある手形的取引の中には、もはや、人格と人格の契約といったところの、主観と主観の二つの体系が組みあって構成する秩序を砕き去るところのはるかに次元を異にした体系機構を用意しているのである。金融経済のもつ国際的体系はもはや人格と人格の相互の信用といった個人的構造をはるかに越えて、人間が一片の砕片となって、その巨大なる空間の中でキリリキリリと分子のブラウン運動のように回転しはじめるのである。