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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页
としての「叡知と現象」、「霊と肉」の世界であったものが、今や愕然と崩壊して、カントにおいては、同じ格の三つの見かたとなってくるのである。この考えかたこそはやくもベーコンが一五〇〇年に切り開いた、新たなる自由通商主義のもつ世界観の体系化にほかならない。
このベーコンからカントへの一五〇〇年から一八〇〇年の時代というのは、欧州はローマ法王の巨大な権利からのがれて、それぞれの民族によって分化された帝王の手に、または商業化された主権の手に属した時代であった。英国が、百五十年さきんじ、フランスが五十年さきんじて、ドイツを北海と地中海に残して大西洋の利潤を享楽したのである。
ドイツは、一七五〇年ごろを転機として、一八三〇年から一八四八年、ついに七〇年の普仏戦の勝利から一躍してこの立ちおくれを回復したのである。ドイツがこのように最初には立ちおくれて、後に急に追いついたこの経済情勢は、思想界にどんな影響をもたらしたであろうか。
ドイツ人は厳しい重苦しい北方の自然の中で生活してきたので、南方的なローマ的信仰よりも、原始的な森のオーダン神の住むゲルマンの森の暗い信仰を愛し、プロチヌスの新プラトン主義をよく理解した、ヤコブ・ベーメの思想、また三十年戦争の成果であるピエチスムスの中に中世の古ドイツ神秘主義と原始キリスト教が、織り