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ちょうさきかん

中井正一評論集

中井 正一

中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页

青空文庫

転換を、かのニイチェは激しく批判したのである。そして一八八〇年ドイツがさらに資本国家として植民地に眼を転じようとする時、彼は生ける屍のように狂える人となってしまったのである。

しかし、この一八七〇年という年代は、すでにドイツが、あらゆる形而上学、ユンカートゥムを棄て去る年であって、新たなロッチェの心理主義を、シグワルトの論理学を、ヒルバートの数学論理学を自分の新たな興味とする年でもある。

心理学的なヴント的な感情論が、芸術の中に入るのもこの転換期を乗り越えて後のことである。そして、ドイツはガスの膨脹率よりも大きな率でその経済力をふくれあがらせていく。新世紀の「すべての上に栄あるドイツ」(ドイチェラント・ユーバー・アーレス)という大ドイツ帝国のこの合言葉はこの金融体制のドイツの最も誇らしい思い出である。思想の世界でも、新カント派は心理主義を脱して、ドイツの帝国主義の線にそってドイツのすぐれていることを説き、日本にも多くの影響を与えた。この哲学も一応巨大な膨脹計画の爆発点、かの一九一四年、第一次大戦のために大きなショックを受けた。一九一八年以後、哲学は新カント派よりも、現象学に重点が移っていくのである。