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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页
図書館に生きる道
人々が自然の美しさの中に見とれるということは、その中に定かではないが、漲っている深い秩序にあっと驚き、その中に、溶け入り、ともに秩序に諧和し、それと一つになり、力がぬけ、それに打ち委す心持ちのことである。
この宇宙に対決するものにとって、一つの、そして、唯一つの驚きは、その中に、測ることのできぬ秩序が、厳しく、その道を辿っていることである。
ときには、それが、混沌と偶然とに見えるときがある。しかし、それは、常に、ポアンカレーがいうごとく「予期しなかった秩序」であることに、人々はさらに驚いたのである。
一片の雪にも、一本の草にも、一匹の虫の眼の組織の中にも、驚くにたえた秩序がひそんでいる。
「文」という字、「圖」(図)という字の成立も、この現実の中にひそんでいるアヤ、線、機構のもつ、くしきまでの秩序への驚きの記録である。
言語ができ、文字ができ、機構ができあがってくることは、この宇宙のもつ秩序と法則を、意識の中に再確認し、その驚きを沈め、この法則の中に、生活そのものを溶かし込むことである。水の落差は、その法則の線を辿って、電気となり、光となって、都会をつくり、千里の道を運ぶ速度ともなってくるのである。