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ちょうさきかん

中井正一評論集

中井 正一

中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页

青空文庫

図書館の未来像

概念は常に、技術の進展とともに変化してきた。図書館の概念もみずから、異なり発展しつつある。

文庫時代は、それは封建領主の財宝であって、大衆へのサービスの機能は全然考えられていないのである。ギリシャ、ローマ時代も、その意味では同じである。

図書館の名前の館の意味する、大衆の出入する意味に転化するのは、その文化様相の転換が、みずからその意味を創造してきたというべきであろう。

これに先行して、日本の貸本屋としての、大惣本のごときは、この意味で、大衆サービスの読書機構として、まことに興味あることである。三棟の土蔵にみちみちた明暦以来の大集書が、大衆サービスの前に整理され、その中から坪内逍遥などが生まれたことなどは、明治図書館への発達史上注目すべきである。惜しくも明治三十三年ごろにたおれ、図書館協会が、その十年前にできたことと思い合わせて、感慨にたえないのである。

今の大衆サービスとしての図書館の組織体は、まさに十九世紀―二十世紀の文化類型にふさわしい、個人主義時代の産物である。しかし、この大衆サービスはそのおもむくところやがて、より広く、より機械的になってきたのである。