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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页
生ける空間 Raumlichkeit-In-Sein の影として画布が考察される。
この被投的視覚の距離と、位置と、範囲が、連続的自由変更を可能ならしむるとき、その視覚の深化、すなわちその投企的視覚の現象は彫刻的空間としてあらわれる。かかる空間をドイツ美学は仮象 Schein と呼びならわしているけれども、むしろかかる空間こそが生であり現実的にも考えられる。陳列場と彫塑は同じ空間に住まないと共に、後者のほうがわれわれにもっと生であるともいえるであろう。
こうした関係が言語の領域でも考えられる。例えばここに「気持がよい」という言葉がある。その言葉を聴くにあたって、いかなる方向によって、いかなる範囲において被投せらるるか、すなわち、「気持がよいといいなすった」「気持がよいといった」「気持がよいとぬかした」「気持がよいとほざいた」「……と、いっただろう」「……と、いったに違いない」など、いろいろの立場が可能である。
絵画で光の現象において距離、位置、範囲を決定してうつすごとく、ここでも言葉の現象においても距離、方向、範囲を決定して聴き、それを描写して語ることが可能となる。